マガモやツグミ、ジョウビタキなどの冬鳥は、寒い時期だけ日本に滞在します。近年、その渡りの時期に変化が生じているという報告があります。背景にあるのは地球温暖化であると考えられます。
そもそも冬鳥って?
避寒のためにシベリアや中国北部より、秋から冬にかけて日本に渡ってくる鳥を指します。春から夏にかけての暖かい季節に北方で繁殖し、気温が下がってくるとその年に生まれた若鳥とともに日本にやってきます。そして、暖かくなってくるとまた北へ帰ります。
日本にはどんな冬鳥がやって来るの?
いろいろな種類の冬鳥が、冬になったら日本にやって来ます。ガンの仲間やカモの仲間が冬鳥の代表です。日本で見られるカモ科の鳥は基本的には冬鳥です(カルガモやオシドリなど除く)。マガモやスズガモ、ホシハジロなどは都市部でもよく見かけます。
マガモ(Photo by Wikipediaお兄さん):メスはカルガモに似ていますが、雌雄ともクチバシが付け根も黄色く、クチバシの先だけが黄色いカルガモと区別できます。
スズガモ(Photo by 天覧山):海辺や、海に近い河川で見られます。
ツグミやシロハラ、ジョウビタキなども、市街地の公園や緑地でも見られる冬鳥です。いずれも雑食で、昆虫やクモに加えて木の実も食べます。
シロハラ(Photo by tshinoda):名前の通り、お腹が白っぽいです。
ジョウビタキのオス(Photo by チュウタロウ):雌雄ともに、翼に白い班があります。
冬鳥の渡りの時期が変化している!
横浜の公園で行われた市民調査により、近年、ツグミやシメといった冬鳥の飛来の時期が遅くなり、飛去の時期が早くなっていることが明らかになりました。また、同調査でこの2種に加えて、ジョウビタキ、アオジ、ウソの3種も日本での滞在期間が短くなっていることも分かりました。最も変化が大きかったツグミでは、23年間でなんと40日以上も日本での滞在期間が短くなりました。
ツグミ(Photo by ekko.ryu):地面をぴょんぴょんと跳ねるように移動します。
宮城県の伊豆沼にやってくるマガンについても、滞在期間が短くなっているという報告があります。
マガン(Photo by レオ8):額から口の付け根にかけての部分が白いです。
これらの変化は、いずれも地球温暖化によるものであると考えられます。
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