
2021.01.21
2021.01.21
温暖な地域を好むとされているウラギンシジミ。近年その分布域が北上していることが指摘されています。
ウラギンシジミは名前の通り、翅(はね)の裏が銀(白)色のシジミチョウです。大抵の蝶は翅の裏面にも模様があるのですが、ウラギンシジミは特にこれといった模様がないのが大きな特徴です。また、シジミチョウの仲間の中では比較的大きいです。
ウラギンシジミの翅の裏面(Photo by takahiro0221)
翅の表面には、オスは赤みがかったオレンジ色の、メスは白色の紋があります。
ウラギンシジミのオスの翅の表面(Photo by み~ちゃん)
ウラギンシジミのメスの翅の表面(Photo by 37TeraCells)
腰の高さより低い位置を飛んでいることが多い蝶です。地面に止まることもしばしばあります。幼虫のエサは都市部にも多いクズやフジなどのマメ科の植物なので、街中でもよく見かけます。
クズの花(Photo by efrem)
冬は成虫で越します。常緑樹の葉の裏に止まって過ごすことが多いです。
越冬中と思われるウラギンシジミ(Photo by サンゼンノスケ)
1950年頃まで、ウラギンシジミの分布の北限は関東地方であると言われていたのですが、近年は宮城県や山形県でも見つかるようになりました。地球温暖化に伴う冬の気温上昇によって、東北地方でも越冬できるようになった可能性が考えられます。
ウラギンシジミを見かけたら、バイオームにぜひ投稿してください。みなさんからの投稿により、現在の分布の拡大状況を明らかにしたいと思います。