
2021.01.21
2021.01.21
日本で見られるカメムシの中では最大の大きさをもつ、キマダラカメムシ。東京や大阪などの大都市の街中でもごく普通に見られます。ですがこのカメムシ、実は外来種なのです。
体長2cmを超えるカメムシです。広葉樹の樹液が主なエサです。漢字で書くと黄斑亀虫。その名の通り、背中に鮮やかな黄色の斑点(はんてん)がたくさんあります。キマダラカメムシによく似たいきものに、在来種のクサギカメムシがあります。キマダラカメムシとクサギカメムシの見分け方は背中、頭のスジ、体の後ろの方のシマシマで区別できます。
キマダラカメムシの成虫(Photo by 蓮見):背中の黄色の斑点、頭部の黄色い縦筋、体の後ろの方にある鮮やかな黄色と黒のシマシマが特徴です。
クサギカメムシの成虫(Photo by ウミスズメ):背中には黄色い斑点がありません。体の後ろの方にある、白っぽい灰色と黒色のシマシマが特徴です。キマダラカメムシに比べると少し小さいです。
キマダラカメムシは、幼虫もなかなかエキゾチックな見た目です。
キマダラカメムシの初令(しょれい:生まれて1度も脱皮していない)幼虫(Photo by Robert3298)
キマダラカメムシの2令(にれい:生まれて1回以上脱皮した状態)以上の幼虫(Photo by 直帰)
暖かい季節は、公園や道路脇の街路樹の幹でよく見つかります。特に桜の木(ソメイヨシノ)の幹で見つかることが多いです。
寒い季節は、樹皮の隙間、雨戸や戸袋の隙間などで成虫越冬します。室内で見つかることも珍しくありません。
キマダラカメムシの海外の分布域は、東アジアから東南アジアにかけての地域です。日本で最初に見つかったのは江戸時代。その後150年間も見つかってこなかったのですが、1934年に長崎で再発見されました。2000年頃から急速に分布が拡大し、現在では関東より北の地域でも見つかるようになりました。南方系カメムシであるキマダラカメムシの拡大には、地球温暖化が影響している可能性が考えられます。
キマダラカメムシを見かけたら、バイオームにぜひ投稿してください。みなさんからの投稿により、現在の分布域を明らかにしたいと思います。