カモやサギといった水鳥は、寒い時でも川や池に入って暮らしています。彼らの足には温かい羽毛は生えていません。どうして、冷たい水の中に入っても大丈夫なのか、不思議ですね。
人間は、気温が低いとき、手先や足先など体の先の方にある血管を縮ませ、寒さで体温が失われるのを防ごうとします。この血のめぐりが悪い状態が続くと、しもやけになってしまいます。
水鳥たちが冷たい水の中でしもやけにならないのは、彼らの足に「ワンダーネット」と呼ばれる仕組みがあり、体温が失われるのを防いでいるからなのです。足には、心臓から来た温かい血液が流れる動脈と、外気に冷やされ冷たくなった血液が心臓へ帰る静脈があります。「ワンダーネット」は、動脈に静脈がからまった仕組みのことです。動脈が静脈を温めることで、冷たい血液が体の芯まで冷やしてしまうのを防いでいるのです。