真っ赤なクワガタムシのような昆虫、ヒラズゲンセイ。近年分布域が北上しています。
どんな虫?
ヒラズゲンセイは、クワガタムシのようなアゴをもった真っ赤な体が特徴の甲虫です。大きさは18 mmから 30mmです。
[ヒラズゲンセイのオス(手前)とメス(奥)]
見た目はクワガタムシに似ていますが、ツチハンミョウという甲虫の仲間です。
[ツチハンミョウの一種]
ツチハンミョウの仲間には、触ると関節からカンタリジンという毒を出すものがあります。ヒラズゲンセイもそのひとつです。ヒラズゲンセイに触るとその毒によって水ぶくれになることがありますので、気をつけてください。
いつ・どこで見られる?
成虫がよく見られる季節は5月下旬から7月中旬です。ヒラズゲンセイはキムネクマバチの巣に寄生します。そのため、キムネクマバチの巣の近くで見つかることが多いです。キムネクマバチの巣は、枯れ枝や軒の材木などに作られ、入り口の穴の直径1.5cmほどです。
[クマバチの巣と思われる穴とヒラズゲンセイ]
分布域拡大中!
ヒラズゲンセイは、もともとは主に四国で見られる昆虫で、本州には分布しないとされてきました。ところが、1976年に和歌山県で発見されて以来、近畿地方での分布が拡大し、現在では近畿地方の北部に位置する京都府の福知山市や南丹市でも見つかっています。この分布の拡大には、地球温暖化が影響している可能性が指摘されています。
見つけたら気候変動いきもの大調査(バイオーム)に投稿を!
ヒラズゲンセイを見かけたら、バイオームにぜひ投稿してください。みなさんからの投稿により、現在の分布状況を明らかにしたいと思います。
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